医療事務(医科)能力検定試験とは?
病院等で必要とされる医療事務の知識を証明する資格です。試験は日本ビジネス技能検定協会が主催します。
資格は1級~3級まで用意されています。2・3級では外来の診療報酬明細書作成の知識について、1級では入院の診療報酬明細書作成の知識が求められます。
試験は在宅受験も可能ですが、一部地域では試験当日に試験問題が配送出来ないため、在宅受験が不可になっています。
医療事務(医科)能力検定試験の概要
試験日程と合格発表
2022年は3回の試験が予定されています。同一年度内の試験でも、適用される法令の基準日が異なるので、注意しましょう。
実施回 | 試験日 | 適用法令 |
---|---|---|
第50回 | 2022年6月26日(日) | 2021年4月1日現在施行されている法令等に基づき出題 |
第51回 | 2022年10月16日(日) | 2022年4月1日現在施行されている法令等に基づき出題 |
第52回 | 2023年2月12日(日) | 2022年4月1日現在施行されている法令等に基づき出題 |
難易度と合格率
公式サイトに合格率の掲載はありませんが、3級は基礎知識を問う易しい問題が出題されます。3級であれば難易度は易しく、試験対策を計画的に行えば試験は怖くありません。
2級は外来の診療報酬について深い知識を求められる、また1級では入院時の診療報酬について問われます。級が上がるにつれて求められる知識の繊細さとレセプト作成スキルの難度も上がります。
なお、合格基準は各級共通で、70%程度の得点を基準としています。
試験の内容と出題範囲
試験の主催団体が発表する、各級の出題内容は下記の通りです。診療報酬を正しく計算し、診療報酬明細書を作成するテクニックが求められます。
詳しい出題項目は「試験に関するその他の情報」にて「医療事務(医科)能力検定試験の概要」表に掲載しています。
3級:医療保険制度の仕組み、診療報酬明細書(外来)を作成するために必要な基礎知識
日本ビジネス技能検定協会 医療事務(医科)能力検定試験
2級:医療保険制度の仕組み、診療報酬明細書(外来)を作成するために必要な知識
1級:医療保険制度の仕組み、診療報酬明細書(入院)を作成するために必要な知識
試験に関するその他の情報
受験資格は設けられていませんので、どなたでも受験できます。また試験時間は3級60分、2級、1級は90分です。
<医療事務(医科)能力検定試験の概要>
項目 | 内容 |
---|---|
受験資格 | 特になし |
試験実施日 | ■年3回実施 【試験時間】 3級 10:30~11:30 2級 13:00~14:30 1級 10:00~11:30 【2022年度試験実施予定日】 2022年6月26日(日) 2022年10月16日(日) 2023年2月13日(日) |
試験内容 | 試験は1級から3級に分かれています。 併願受験は1級・2級または2級・3級にて可能です。 その他の併願受験は出来ません。 「学科試験:筆記択一式」 「実技:診療報酬明細書作成」 【3級試験内容】 ■医療保険制度の基礎知識 ・医療保険制度のあらましの理解(給付率まで) ・医療給付率の暗記 ■窓口事務の基礎知識 ・受給資格の確認 ■診療報酬等の請求から支払までの理解 ・請求先の理解 ・医療費の流れの理解 ・提出期限の理解 ・時効の理解 ■診療報酬明細書作成上の一般的事項の理解 ・作成単位の理解 ■診療報酬明細書の外枠の書き方の基礎知識 ・保険者番号の構成の理解 ・カルテからレセプトへの転記(単独保険分のみ) ・法別番号の暗記 ・政府管掌健康保険の法別番号の特例の理解 ・国民健康保険の法別番号の特例の理解 ■診療報酬明細書の作成方法の基礎知識 ■外来の点数算定についての基礎知識 ・初診料 ・再診料 ・外来診療料 ・医学管理等 ・投薬料 ・注射料 ・画像診断料 ■外来の診療内容の基礎知識 【2級試験内容】 ■医療保険制度の基礎知識 ・医療保険制度のあらましの理解(給付率まで) ・医療給付率の暗記 ■窓口事務の基礎知識 ・受給資格の確認 ■診療報酬等の請求から支払までの理解 ・請求先の理解 ・医療費の流れの理解 ・提出期限の理解 ・時効の理解 ■診療報酬明細書作成上の一般的事項の理解 ・作成単位の理解 ■診療報酬明細書の外枠の書き方の基礎知識 ・保険者番号の構成の理解 ・カルテからレセプトへの転記(単独保険分のみ) ・法別番号の暗記 ・政府管掌健康保険の法別番号の特例の理解 ・国民健康保険の法別番号の特例の理解 ■診療報酬明細書の作成方法の基礎知識 ■外来の点数算定についての基礎知識 ・初診料 ・再診料 ・外来診療料 ・医学管理等 ・在宅医療 ・投薬料 ・注射料 ・処置料 ・手術料 ・検査料 ・画像診断料 ・処方せん料 ・特定保険医療材料料 ■外来の診療内容の基礎知識 【1級試験内容】 ■医療保険制度の応用知識 ・医療保険制度のあらましの理解 ■診療報酬明細書作成上の一般的事項の理解 ■医科入院の診療報酬明細書の作成方法の基礎・応用知識 ■入院の点数算定についての基礎知識 ・初診料 ・入院料 ・入院時食事療養費 ・医学管理等 ・投薬料 ・注射料 ・処置料 ・ギプス料 ・手術料 ・麻酔料 ・麻酔薬の扱い ・輸血料 ・検査料 ・監視装置による諸検査 ・画像診断料 ・コンピューター断層撮影診断料 ・リハビリテーション料 ・特定保険医療材料料 |
受験料 | 1級:4,400円 2級:3,850円 3級:3,300円 ※受験料は全て税込です。 ※受験料はATM、銀行窓口での振込みです。なお、振込手数料は受験者の支払いになります。 |
合否発表 | 試験実施後、約1ヵ月後に郵送で発表。 |
合格基準 | 各級とも総得点の70%程度が基準。問題の難易度で補正した点数以上の得点で合格。 |
受験場所 | 在宅受験 |
※試験概要は変更される場合もあります。詳細は「日本ビジネス技能検定協会」にて確認するようにしましょう。
医療事務(医科)能力検定試験以外の医療事務の資格
医療事務の資格は「医療事務(医科)能力検定試験」のほか、10種類程度あります。
「メディカルクラーク」や「医療事務検定」「診療報酬請求事務能力認定試験」は、医療事務の現場でもよく知られた資格です。履歴書に記載すると就職に有利になったり、実務に直結したりなど効果が期待できます。
メディカルクラークと医療事務検定は、数ある医療事務資格の中でも初心者向きのオーソドックスな試験です。「医療事務技能審査試験」と表現されることもあります。医療事務の知識ゼロの状態から実務可能なレベルまで伸ばせる点が魅力です。
一方、診療報酬請求事務能力検定試験は比較的ハイレベルな試験です。その分、取得すれば評価も高くなります。長いキャリアを考えた時に視野に入れたい資格ですね。
初心者レベルから診療報酬請求事務能力検定試験を目指せるレベルまで、計画的に力を伸ばしてくれるスクール・講座を探してみるのもよいでしょう。
医療事務の資格は対象者やレベルが様々です。難易度や希望職種、就職希望時期までに試験を受けられるか、といった条件を元に、自分に合う医療事務の資格を選ぶことが就職にも繋がります。
本サイト「メディクラ」では、無料の講座パンフレットで講座選びをサポートします。下記の関連記事で複数の医療事務資格を比較して紹介していますので、参考にご活用ください。
関連記事:医療事務資格は何を取ればいいの?採用面や難易度など様々な観点からおすすめの医療事務資格をご紹介!
医療事務(医科)能力検定試験に合格するには
方法1 医療事務試験の対策講座
医療事務(医科)能力検定試験の対策講座に、「資格の大原」の医療事務講座があります。入門コースや、総合・大学病院で働くためのコースなど、医療事務(医科)能力検定試験に対応した様々なものが用意されています。
効率よく学習し、最短で資格を取得するには、下記のような講座を受講することがおすすめです。
講座名 | 費用 | 学習期間 |
---|---|---|
入門(3級)コース | 14,000円〜 | 1ヶ月 |
クリニック(3級・2級)コース | 36,000円〜 | 3ヶ月 |
総合・大学病院(3級・2級・1級)コース | 64,000円〜 | 5ヶ月 |
上記の価格は通常価格のものです。再受講などによる割引制度もあります。
医療事務の資格は民間で数多く出ています。下記のリンクより、医療事務講座の無料パンフレットを請求できますのでご活用ください。
方法2 独学で医療事務の学習をする
医療事務は民間資格で、受験条件・学歴要件も設定無しとしている試験が多いです。したがって、独学で試験勉強を進め、医療事務の試験に合格することも可能です。
独学は「安く資格が取れる!」というメリットに目が行きがちですが、デメリットもあり、独学に向かない人も一定数いるのが事実です。
下記の関連記事で医療事務の独学の勉強法や「向いている人・向いていない人」を紹介していますので、をご参考ください。
関連記事:医療事務の資格は独学でも合格できるか?
まとめ
医療事務(医科)能力検定試験についてご紹介しました。医療保険制度に基づいた診療報酬の知識を取得できるため、医療事務の求人に応募する前に取得しておくのもよいでしょう。
また、試験の受験料、難易度、受験方法(在宅試験)のいずれをみても、初心者が受けやすい条件はそろっています。
しかし、参考書や対策講座の選択肢と、医療事務の現場における知名度においては「医療事務検定」や「メディカルクラーク」と比べるとやや劣ります。医療事務の資格は10種類ほどありますので、自分に合う資格を選んでみてください。
関連記事:おすすめの医療事務資格一覧
医療事務講座の比較に役立つ!無料パンフレット
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講座選びで気になるポイント
「1番安い講座はどれか?」
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を一括で比較できるので、講座選びの参考にお役立ていただければ幸いです。
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